私と藤子不二雄

お題風のタイトルにしてみましたが、いよいよ明日は藤子・F・不二雄大全集の刊行開始です。→藤子・F・不二雄大全集|小学館


小学生のあいだ、うちには漫画がありませんでした。
完全に無かったわけではなく、学研漫画(ひみつシリーズ)や、伝記漫画(野口英世とか)など幾つかの例外を除いて、でしたが。漫画は大好きだったし、親が厳しく禁じたというわけでもなかったのですが、なんとなく、無かったのです。
友達の家でコロコロを読み、テレビではアニメでドラ・パーマンオバQなどを見、毎年のドラえもんの映画も欠かさず見に行き、気が付いたら藤子不二雄という名前を魂に刻みつけて生きてきました。
コロタン文庫の○○百科は例外的に存在が許されたものの一つです。中でも「藤子不二雄まんが全百科」「まんがのかき方全百科」の2冊はバイブルのように大事にしていました。藤子全百科を熟読したおかげで、読んだことの無い藤子漫画のタイトルをたくさん暗記しました。「笑ゥせぇるすまん」のアニメが始まった時は「あれは原作は『黒イせぇるすまん』で『もぐろふくぞう』でなく『もこくふくぞう』だったんだよ」とか「藤子不二雄ランドのCMで『新作漫画ウルトラBも載ってるよ』って言ってるけど、ウルトラBって65年に同名の短編が出てるから新作じゃないよ」と蘊蓄を語る嫌なガキでした(同名短編はあったが、連載自体は新作なのでCMの表現は正しかった、と今になって反省しています)。
ドラハッパーオバQ藤子不二雄ワイド、藤子不二雄ランド、80年代に少年時代を過ごした僕らの世代はまさに藤子不二雄黄金世代と言えるのではないでしょうか。


で、藤子・F・不二雄大全集です。第一期刊行ラインナップに、オバQ海の王子ジャングル黒べえ、と長らく絶版・かつ再販は難しいと言われている作品が並び、さらに、ドラえもん全話収録など、藤子ファンの長年の夢を叶えてくれるような全集のリリースが報じられ、(僕的に)大騒ぎになりました。
Wikipediaの記述を幾つか見てみましょう。

本作は人気が高いにもかかわらず、1988年を最後に単行本の増刷が停止。その後も『21エモン』や『エスパー魔美』と異なり、文庫版や新装版が出版されることもなかったため、古本の価格は高騰した。この絶版状態は、本作を再び収録した「藤子・F・不二雄大全集」(第1期)が刊行される2009年7月まで、20年以上も続くこととなった。

1989年7月に黒人差別をなくす会が同じく藤子作品である『オバケのQ太郎』の「国際オバケ連合」の回の描写が黒人差別であると指摘。これを受けて、藤子プロ、単行本を出版していた小学館中央公論社は、『オバケのQ太郎』の当該エピソードが収録された単行本を増版中止・回収措置をとったが、この際に余波や後難を避けるため、抗議や指摘がなかった本作を同時に自主回収したと見られている。その後、本作を「封印」扱いにし、単行本は絶版、『バケルくん』第2巻に収録された一部エピソードや藤子不二雄の漫画百科なども別作品に差し替え、アニメ版は放送を自粛し、事実上闇に葬られてしまった作品となった。

オバQや黒べえの絶版の理由は、「藤子両人の周囲で起きている感情の問題」ではないかなどと言われてきました。(詳しくは下の本などをご覧ください)

封印作品の闇―キャンディ・キャンディからオバQまで (だいわ文庫)

封印作品の闇―キャンディ・キャンディからオバQまで (だいわ文庫)

今回、旧オバQ海の王子がF全集として出版されるということは、合作の作品もF全集として出版されるということにA先生が了承したのだろうな、A先生の友情泣ける!と勝手に盛り上がったりしております。


さて、明日僕は34歳の誕生日を迎えます。
33年間、藤子ファン人生を歩んできて、新しい1年の最初の日に、藤子全集第一期(全33巻)が刊行スタートするという奇妙な符号に、これは何を置いても購入せねば!!と思ったのはよいのですが、僕には家庭があります。家にも物理的な書籍を置く容積の限界があったり、子供がコレクションを破壊したり、趣味の物をばかばか購入する事に難色を示す妻もいます。そして藤子F全集第一期は総額5万610円の決して安くない商品です。
そこで家族会議を開き、藤子F全集の購入について夫婦で議論を重ね、数日の話し合いの結果ついに妻の快諾を得て、第一期全巻の予約とあいなりました。
思えば妻は全然おたく的なひとではなく、バンド的な活動をしたり、四駆の車で河川敷を走り回るような人で、こんなおたくと結婚してしまったがために、ガンダム(1st)を全話+劇場版とか、世界名作劇場を何シリーズもとか、楽しいムーミン一家とか、変な海外アニメとかを大量に見せられるなど、いろいろひどいな目にあっているのですが、それなりに楽しんでくれて、僕の趣味を認める以上に自分から興味を持っていろいろと趣味を共有してくれます。大変有り難い事だと思っています。
今回の全集を機に、改めて妻に感謝しつつ、新しい1年を(F全集を読みながら)迎えていきたいと思います。

キタエリ

うごメモはてな
僕もポリコム越しに少し話しました!
でも出演作はフレッシュプリキュアしか見たことないです・・・。
ちなみにプリキュア大好きなうちの娘(3歳)は、まだフレッシュに慣れず、髪の色でキャラを判別しているため、キタエリさん演じるキュアベリーのことを「かれん」*1と呼んでいてたいへん微笑ましいです。

*1:前作で髪が青かったキュアアクアの本名